カウンセラー小川光弘

毒親育ちの小学生が友達を作れない理由とは?心の傷と回復のヒント

メンタル

親から常に否定され、感情を押し殺して生きてきた子どもは、学校でも自信を失い、人との関わりを怖がるようになります。

特に「毒親」と呼ばれるような過干渉・支配的な親のもとで育つと、幼少期から心の安全基地を持てず、人間関係の基礎である「信頼感」を築けなくなることがあります。

この記事では、家庭環境が小学生の友達作りにどのような影響を与えるのか、心理学の視点から分かりやすく解説します。

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楽しくない家庭の被害者

小学校に入ると、「友達をたくさん作ろう」と期待に胸を膨らませる子どもが多くいると思います。

しかし、家庭で日常的に否定され続けた子どもは、笑顔を見せることすら怖くなり、「どうせ自分なんて嫌われる」と思い込んでしまう傾向があります。

心理学ではこれを「学習性無力感」と呼び、自分の努力では状況を変えられないと感じる状態を指します。

毒親のもとで育った子どもは、家の中で自分を守るために「感情を出さない」「親の顔色をうかがう」といった防衛的な態度を身につけます。
そのまま学校に行くと、友達のちょっとした言葉にも敏感に反応し、「嫌われた」と思い込み、距離を取ってしまうのです。

本来なら笑って過ごせる時間が、緊張と不安で満たされてしまいます。

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毒親育ちの家庭環境とは

毒親とは、意図せず子どもの心を支配し、自己肯定感を奪ってしまう親を指します。

典型的なパターンは「支配型(過干渉・過保護)」「否定型(批判・比較)」「放任型(無関心)」の3つです。

例えば、子どもが笑えば「何がおかしいの?」、泣けば「泣くな、うるさい」と叱るような態度が繰り返されると、子どもは「感情を出す=悪いこと」と学習します。

このような環境では、子どもの脳が常にストレス状態に置かれ、自己表現の機会を失います。
結果として「自分の気持ちがわからない」「人と話すのが怖い」といった心理的問題が生じ、友達づくりにも影響が出るのです。

近年では、家庭での心理的虐待が子どもの社会性発達に与える影響を指摘する研究も増えています(厚生労働省・2023年調査)。

友達作りを許さない親

遊びたい年頃の子どもにとって、友達との時間は心の栄養です。
ところが毒親は、子どもの交友関係を支配しようとする傾向があります。

「遊ぶ暇があるなら勉強しろ」「あの子とは付き合うな」と言われ続けると、子どもは他人とのつながりを“危険なこと”と感じてしまいます。

また、友達の家に行く許可を得られなかったり、家に呼ぶことを禁止されたりすると、「自分だけ普通じゃない」という孤独感が強まります。

その結果、学校でも距離を置かれやすくなり、さらに自己否定が深まるという悪循環に陥ります。
親が無意識に与える「閉じた世界」の中で、子どもは外の世界に心を開けなくなるのです。

小学生で疲弊する心

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小学生の心は本来、柔軟で愛情に敏感です。
しかし、日々の否定や暴言を受け続けると、子どもの脳内ではストレスホルモンが過剰に分泌され、情緒の安定が難しくなります。

このような状態が続くと、笑うことが減り、感情表現が乏しくなり、周囲から「暗い子」と見られてしまうこともあります。

心理的な傷は目に見えないため、教師や友達も気づきにくく、結果的に孤立が進みます。

心の回復には「安全な人とのつながり」が欠かせません。
カウンセリングやスクールカウンセラーとの関わり、信頼できる大人の存在が、心の再生の第一歩になります。

家庭の中でも差別され居場所がない

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兄弟の中で差別される体験は、子どもの心に深い影を落とします。
他の兄弟が褒められる一方、自分だけ叱られると、「自分は愛されない存在だ」と思い込んでしまいます。

心理学的には「条件付き愛情」と呼ばれ、親の機嫌を取らないと愛されないという思考を植え付けます。

その結果、友達関係でも相手の顔色をうかがい、自分の意見を言えなくなるのです。

家庭での差別的な扱いは、単なる親子問題ではなく、子どもの社会的自立にも影響を及ぼします。

安全な居場所を家庭以外に持つこと、たとえば地域の居場所支援や学校の相談室などに繋がることが、回復のきっかけとなります。

まとめ

毒親の家庭で育った小学生が友達を作れないのは、単に「性格が内向的だから」ではなく、家庭での否定的な経験が社会性の発達を妨げるためです。

親の支配や比較、愛情の欠如は、子どもに「自分は価値がない」という信念を植え付け、他者との関係構築を難しくします。

しかし、心は修復できます。
スクールカウンセラーや信頼できる大人が「あなたの気持ちは大切」と伝えることで、子どもの中に小さな希望の芽が育ちます。

もし身近に悩んでいる子がいたら、否定せず、そっと話を聞いてあげてください。
その優しさが、閉ざされた心の扉を開く第一歩になります。

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