学習性無力感の対処法は?どうせムダと思い込む心を楽にする方法とは!

メンタル

「何をやってもダメだ」「どうせ無理」そんなふうに感じて、行動を起こす気力さえ失っていませんか?
それは「学習性無力感」と呼ばれる心理状態かも知れません。

この概念は、アメリカのポジティブ心理学者による実験と研究から生まれました。

避けることができないストレスを受け続けた人は、次第に「逃げよう」「解決しよう」とする行動そのものを放棄してしまう傾向があることが明らかになっています。

この記事では、その学習性無力感について理解し、対処法を知ることで自分らしさを取り戻せるように解説したいと思います。

少しでも参考になれば幸いです。

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動物実験が示す「無力感」のメカニズム

学習性無力感について、この心理現象を裏づける有名な実験があります。

2匹の動物を用意し、1匹には「スイッチを押すと電気ショックが止まる」環境を、もう1匹には「何をしても電気ショックが止まらない」環境を与えました。

すると、後者の動物は最終的に一切の抵抗をやめ、電流が流れてもじっと耐えるようになってしまいました。

「自分の行動では状況を変えられない」と学習したことで、逃げる努力すらしなくなったのです。
これが、学習性無力感です。

学習性無力感が生まれる具体例

ここでは学習性無力感が生まれるいくつかの具体例について述べてみたいと思います。

回避不能なストレス状況

心理学の研究では、例えば「騒音を止めるスイッチがある部屋」と「何をしても騒音が止まらない部屋」で被験者を比較しました。

すると、騒音を止められない環境にいた人たちは、後の違う場面でも無力感を持ちやすくなったのです。

 正解のないテスト問題

また、数学の問題に正解がある状況と、あえて正解がない解決不能な問題に取り組ませた場合、後者の被験者は次第に問題に取り組む意欲そのものを失いました。

「何をしても意味がない」と感じたことが原因です。

職場での体験

会社でも同じ事が起こり得ます。

例えば、上司から頼まれて資料を作成したものの、何度提出してもダメ出しばかりされる……。

このような状態が続くと、やがて「どうせやってもムダだ」と感じ、行動を控えるようになります。

なぜ人は無力感を抱くのか?

しかし、すべての人が同じように無力感に陥るわけではありませんが、なぜ無力感になるのかについて述べたいと思います。

一つの問題なら前向きになれることも

研究によると、課題が一つだけであれば、かえって問題解決に前向きになる人もいます。

「これは自分で解決できる」と感じることで、行動を起こせるのです。

否定され続けると心が折れる

一方で、上司や同僚など周囲からの否定が何度も繰り返されると、本人は「何をしても否定される」と受け止め、無力感を深めていきます。

たとえ正当な注意だったとしても、伝え方やタイミングによっては、相手に強いストレスと自己否定感を与えてしまいます。

コミュニケーションの影響

学習性無力感は、上司と部下、親と子などの関係性にも影響されます。

「良かれと思って言った言葉」が、相手にとっては「自分を否定された」と感じる原因になることもあります。信頼関係や伝え方が重要です。

学習性無力感を防ぐには?

ここでは学習性無力感を防ぐにはどのようにすれば良いかについて述べてみたいと思います。

自分の行動と結果をつなげる

「自分の行動が良い結果を生んだ」と実感できる体験が、無力感を防ぐ最大のカギです。

例えば、営業成績が伸びた、提案した企画が採用された、チームの成功に自分が貢献できた——こうした経験が「自分が動くと物事は変わる」という感覚を育ててくれます。

 高すぎる目標は逆効果

現実離れした高すぎる目標は、達成できないことが前提になってしまい、「どうせ無理だ」と感じる原因になります。

逆に、少し頑張れば届く目標であれば、「自分の努力次第で変わる」という意識が生まれ、前向きに取り組めるようになります。

自分の頑張りを認識する

日々の行動や努力を自分自身でしっかり認識することも大切です。

「今日はこれをやった」「昨日より少し進んだ」といった小さな成果を意識することで、結果が出る前からモチベーションを維持できます。

学習性無力感になりやすい人へ

ストレスを受けたすべての人が学習性無力感になる訳ではありません。
ですが、過去に否定される経験が多かったり、自己肯定感が低かったりする人は、そうした状態に陥りやすい傾向があります。

もし今、「何をしてもムダだ」と感じているなら、それはあなたが悪い訳ではありません。
その感覚は、あなたの心がストレスから身を守ろうとしているサインかも知れないのです。

まとめ

学習性無力感は、誰にでも起こり得る心の反応です。
しかし、「自分の行動が何かを変える」という感覚を取り戻すことで、少しずつ脱出することができます。

自分を責めすぎず、日々の小さな努力や変化に目を向けてみてください。
きっと、あなたの行動は無意味ではないと気付けるはずです。

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